台湾知財セミナー〜台湾の知財の現状、台湾ユーザーの動向、要望を紹介〜が3月20日、港区六本木の泉ガーデンカンファレンスセンターにて、公益財団法人交流協会の主催により開催された。同セミナーの講師は台湾の知的財産行政を取り仕切る智慧財産局のトップであり、知財全般のエキスパートである王美花局長と、台湾のバイオ医薬審査や早期審査施策を担当している吳佳穎課長の2名。王美花局長の日本での講演は今回で4回目。吳佳穎課長は今回が日本での初講演となった。
参加者としては、個人はもちろん、企業の知財部や弁理士などの面々が数多く参加した。
王美花局長は、知的財産法制度の発展と現状、審査業務の概況、知的財産制作及び国際交流などについて講演。日本との関係として、日本の台湾専利出願状況は一貫して高い水準を保っているということを強調。また、日台商標審査官交流では双方の審査実務について充分な相互理解があり、頻繁に日本の専門家を台湾に招きいれ、日台審査官の深い友好関係を構築しているという。
講演の最後には「台湾の知財制度が、台湾の人々並び海外の人々からも良い制度だと思って頂けるように、更なる向上を計りたい。」と目標を掲げた。
続いて吳佳穎課長は特許加速審査措置、特許関連案件連合面接プログラム、コンピューターソフトウェア関連発明審査基準などの台湾専利重要行政措置について講演。また、日台間の優先権証明書類の電子的交換の面では、日本は外国人による台湾への専利出願において出願件数の最も多い国家であり、昨年(2013年)は14013件を誇る一方、台湾人による日本出願の年間出願件数は3000件に迫る。出願人の優先権主張に資するべく、日台双方は昨年より優先権証明書類の電子的交換作業の提携を開始したと説明し、参加者の日台における専利状況への理解を深めた。